意外と多い男性不妊の原因と治療法。精神的ダメージはどう乗り越える?

男性側に不妊の原因がある「男性不妊」。

不妊の原因は女性にあると思われがちですが、実は男性にあることも少なくありません。日本受精学会の調査によると、男性不妊の割合は33%でした。*1

男性不妊と一言で言っても原因はさまざまで、状況や程度によって治療法が異なります。

そこで問題になるのが、「男性不妊の発見が遅れること」です。

女性よりも検査が進まず、時間とお金をロスしてしまうことがあります。

今回の記事では、男性不妊の原因や検査、治療法などについてまとめました。

後半では、男性不妊を早期発見するための対策やメンタル面についても取り上げます。

メンタル面は他人に聞きにくいですが、男性不妊と診断されると大きな精神的ダメージを受ける人もいます。

これから妊活しようと考えている人や、男性不妊について知りたい人の参考になれば嬉しいです。

男性不妊とは?

不妊とは、通常の性生活があっても12か月妊娠が成立しない場合をいいます。

2003年に日本受精学会が行った調査によると、男性不妊の割合は33%でした。*1

この数字を見て、「思っていた以上に多い」と感じた人もいると思います。

男性不妊には、精子の動きが悪い、数が少ないなど、さまざまな種類があります。

詳しくは、次の見出しで解説します。

男性不妊の種類と原因

男性不妊は、大きく分けると造精機能障害、精路通過障害、性機能障害の3つがあります。

なかでも多いのが、造精機能障害です。

それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

・造精機能障害:精子そのものを作る機能に障害があります。

精液中に精子がない「無精子症」(非閉塞性無精子症)、精子の数が少ない「乏精子症」、精子の運動率が低い「精子無力症」などです。

・精路通過障害:精子の通り道に障害がある状態を指します。

無精子症のなかでも、精子は作られているのに精液中に見られない「閉塞性無精子症」、射精した精液が膀胱に流れる「逆行性射精」などがあります。

・性機能障害:上記2つの機能は異常ないものの、性行為がうまくいかない状態をいい、勃起不全(ED)や射精障害があります。

男性不妊の原因には、先天性(産まれつき)のもの、過去の手術によるもの、生活習慣やストレスが関係するものなど、多岐にわたります。

男性不妊の検査

男性不妊かどうか診断するため、主に以下の検査を行います。

・視診、触診

・精液検査:不妊治療専門病院では、採精室を設けているところもあります。ない場合は、自宅で採取し病院に持ち込んで検査をします。

・超音波検査(エコー)

・血液検査:卵胞刺激ホルモンやテストステロンなどを測定し、生殖機能のどこに異常があるのか判断するひとつの手がかりにします。

男性不妊の治療法

男性不妊の治療法には、障害の種類によって以下のようなものがあります。

・造精機能障害:薬物療法、精巣内精子採精術(TESE)など

・精路通過障害:精巣内精子採精術(TESE)、精路再建術など

・性機能障害:薬物療法、カウンセリングなど

精巣内精子採精術(TESE)とは、手術にて精巣を切開し、直接精子を取り出す方法です。

障害そのものが治るわけではありませんが、精子が採取できれば顕微授精ができます。

精路再建術は、精子の通り道を作り、精液中に精子が出るようにする治療です。

成功すれば、自然妊娠も期待できます。

男性不妊は発見が遅れやすい?精液検査を受けてもらうために

男性不妊が判明するまで、時間がかかることがあります。

それは、次のような要因があるためです。

・初めに病院に行くのは女性が多い

・不妊治療に対する考えが消極的

・「不妊の原因は自分ではない」という根拠のない自信があり、検査を受けたがらない

・病院によっては、女性の検査を一通り行ったあとに男性の検査を行うことがある

理想は、男性と女性の検査を同時に進めることです。

女性の検査は、生理周期にあわせて行うため、全て終わるまでに時間がかかります。

男性も同時に検査を進めた方が、時間とお金のロスが少なくなります。

しかし、検査を億劫に思う男性がいるのも事実です。

そのような場合には、まず子どもを授かることや不妊治療に対する考えを再確認しましょう。

そのうえで、年齢があがるにつれて妊娠率が低くなること、検査が遅れれば時間もお金も無駄にしてしまうことを伝えてみてください。

もしそれでも納得しない場合は、医師から直接説明してもらうのもおすすめです。

医師からの言葉は重みがあるので、より現実的に考えられる男性もいます。

また、医師から精液検査の話しがない場合、こちらから「精液検査をしてほしい」と話してみましょう。

医師に提案するのは気が引けるという人もいるかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。

医師の言いなりではなく、こちらからも疑問や不安を伝えて解決していくことが、不妊治療に取り組む姿勢として大切です。

男性不妊と診断されたときの心境。どう立ち向かう?

ここで、男性不妊と診断されたときの男性の心境について考えてみましょう。

「不妊の原因はあなたです」と突きつけられるのは、女性と同じようにショックです。

子どもを授からない不安や女性への罪悪感を感じ、自分を責めてしまいます。

さらに、男性としての自信がなくなり、仕事や趣味に対しても意欲がなくなる人もいます。

悩みや不安をはっきり言葉にしなくても、悩んでいる男性は多くいます。

そのような男性の気持ちを理解し寄り添うことが、男性不妊を乗り越える一歩になります。

しかし、男性不妊であっても、採卵や移植などで女性には大きな負担がかかります。

女性も無理せず、不安や悩みを男性と共有し、2人で乗り越える意識が大切です。

【まとめ】男性不妊について理解し、2人で乗り越えよう

不妊治療は女性がするものと思われがちですが、男性の協力も必要です。

男性も早い段階で検査を受け、治療に協力することが妊娠への近道になります。

また、男性不妊と診断されて、女性が思っている以上にショックを受ける男性も多くいます。

お互いの気持ちを正直に話し、共有しながら不妊治療にのぞみましょう。

【参照サイト】

*1 参考)日本産婦人科医会 「5.不妊の原因と検査」

https://www.jaog.or.jp/lecture/5-不妊の原因と検査/